賢治が生まれた1896(明治29)年前後から花巻の町は大きく変化します。
 東北線が盛岡まで開通し花巻駅が開業したのが1890(明治23)年11月、賢治が生まれる前でしたが、岩手軽便鉄道の開設が大正2年10月、花巻電鉄の開設が大正4年9月と賢治が生まれた後でした。同じく電気が花巻に敷設され始めたのも明治45年以降であり、花巻温泉の開業も大正12年、西洋料理の店もこの頃に開業し始めました。賢治は花巻に近代文明が押し寄せた時代を目の当たりにしたようです。賢治の時代の花巻の様子を当時の写真でご紹介しましょう。

豊沢小路(としゃこじ)

 なお、写真の多くは、花巻市制施行30周年記念事業として昭和59年4月1日から5月25日まで花巻市文化会館で開催された「写真で見る花巻市の歩み」パネル展のものを使用しました。