東北新幹線は花巻市街から遠く離れたルートで計画され、花巻に最寄りの駅も設けられなかった。新花巻駅は東北新幹線開業後に請願駅として、応分の地元の財政負担により整備されたもので、駅舎は賢治の「銀河鉄道の夜」をイメージしたデザインを取り入れたといわれる。駅の開業は1985(昭和60)年3月14日、宮沢賢治記念館開館から2年半後である。新花巻駅は記念館から車で5分、徒歩でもアクセスできる距離にある。駅開業後、記念館の入館者数も特段に伸びた。
新花巻駅開業を記念して、花巻市では駅前広場に賢治の碑を企画し、駅舎の「銀河鉄道の夜」のイメージと調和するようにと、「セロ弾きのゴーシュ」を碑の題材として選び駅の開業に合わせて建立された。この碑の説明板に、「このモニュメントを御覧になられた方々が、賢治の作品の素材となった豊かな自然と暖かい人々の営みのある花巻を感じていただければ幸いです」とある。